Taeko Goto Blog

PTSD体験 春は痛みを手放し、未来に繋がる「今」を引き寄せる時 その2

前話で私がPTSDになってしまう体験の状況をお話しました。 出産予定日の20日ほど前に起きた夫の暴力行為です。
それは、こちらです。

もちろん、それまでにいくつかの暴力行為はありましたが、まさか自分の子どもが生まれる直前の妻のお腹を蹴ろうとするとまでは思っていなかったので、私は思考も感情も停止してしまったのです。

間違った思い込み、その1 損得を抱き合わせて判断するのが大人だと思っていた

この時は、前話にも書いたように「信じられない!」という怒りと落胆、この先夫というパートナーを信じていくことはおそらく不可能だという絶望感などが、一気に私の中にインストールされたと思います。
心の奥底で
「この人をあてにするのはやめよう、無理だ。」
という決断をした声が聞こえたような感覚がありました。


では、なぜ離婚をすぐしなかったのか? それは、実物の子どもが目の間に現れたら少しは穏やかな方向に変化するのか?という疑問があったからです。それを確認しないことには早急に騒ぎ立てても仕方無い。まるで上司が部下の力量を見定めるようなビジネスライクな感覚でいました。だって、もう感情的には許せないので。損か得かの計算に入っていったという感じです。

間違った思い込み、その2 離婚はいけないと思っていた

私の両親は昭和一桁の生まれ、つまり戦争体験者です。私などが直に戦争の話をきいた最後の世代だと思いますが、平和な時代に生まれた自分にとって、戦争を生き抜いた人達にそれなりの敬意はあります。食べ物が満足にない生活が国民的レベルであるわけですから。我慢を強いられ、そこを生きぬいてきた人達の言葉に刃向かえるものはありません。だから、離婚したい実態があっても歯を食いしばって我慢することを昔の人は皆やってきたという思いも持っていました。

「我慢は当たり前!」この言葉を何回きかされたことでしょうか?
だから、嫌でも、理不尽でも、一度決めたことから簡単に引き上げてはいけないと思っていました。まあ、間違いではないにしても、自分の健康・健全を犠牲にすることを美徳とはいわないと今は思います。が、30代の私にはまだ解っておらず、ドンドン自分の心の痛みを無視する方向に頑張ってしまったのです。

間違った思い込み、その3 相手は反省すると思っていた

ことDVに関して特徴を述べるなら、反省はしません。もう少し解りやすく言うと「反省する」というOSを持っていないPCだと考えれば解りやすいと思います。そう、暴力に関して「反省」という仕組み(回路)がないので、そもそも悪いことをしてしまったという「罪悪感」がないのです。だから繰り返せるのです。もちろん個人差はあるでしょう。で、直後に優しくなるとかよく言いますが、これは優しい感情があるのではなくて、そうするとまた相手を支配下におけるという学習からシステム的にそうなっている(演技)とみるべきでしょう。まあ、普通の人間もケンカした後にすまないと思う感情から相手に優しく振る舞うことは珍しくないですから、それを反省してくれていると、こちらが良いように解釈してしまいがちです。私は結婚10年目で、確認をしました。

「あなたがしてきたことは、何ひとつ私の中で消えてはいません。
 全部傷として積み重なっているということをあなたは解っていますか?」

その答えは… 「そんな、昔のこと…。」 


私は「?」と思いました。そう伝えれば解るかと思っていたのですが、「こりゃ~、記憶にとどめる力がないんだ!」と発見した印象的な出来事でした。半ばどこかで反省をしていてくれるのではないか?という期待があったのですが、記憶がない=自分がまずいことをしている事実がない=相手が怒り続けていることが解らない という、理解が全くない事実を発見し、だからくり返してしまうのかと解釈した時に、具体的に「離婚」という文字が目の前にやってきました。

間違った思い込み、その4 自分の心の痛みは強さになると思っていた

耐えた分だけ自分は強くなる… って思いがちですよね。間違いではないと思います。私は両親の問題から、夫の問題から、その後のビジネスパートナーの問題とうんざりするくらい修行をしてきたので、逞しい人にはなったと思いますが、それは、受けた痛みとその結果できた傷をきちんと癒やすところまでやったからの話です。


痛みは、傷が出来たことで起こります。この傷の存在を知らしめるために痛みは出てきます。だから痛みは大事な信号ですね。「傷、出来ちゃいましたよ~! ちゃんとケアして下さいね~!」 と教えてくれています。が、忍耐がステキだと信じていると、これを無視するのが大人だと思っているのでケアしません。それが積もって、うつや燃え尽き症候群になってしまうのです。強くなる前に自分が壊れて動かなくなる…。これって本末転倒ですよね。

壊れちゃ、意味ないですよね。次は、どうやって回復へ向かうのかをお話しています。

 

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コメント

    • Nicco Orbia
    • 2018年 3月 30日

    こんばんは〜ご無沙汰してます。
    日本人が大好きな桜、、、
    そんな時期にそんなことがあったんですね、、、

    京都も桜は満開で、明日は満月

    夜桜はえも言われぬ佇まいです

    春は苦手、と思っていた時期もあり
    掘り下げて見ようかな、ってブログを拝見して思いました

    今はもう大丈夫なのでしょうか?

    美しい季節とは思います
    私のシーズンカラー!!
    堪能してください!!

      • 後藤妙子
      • 2018年 3月 31日

      コメントをありがとうございます。私の人生にはたくさんの嫌なことで満ちていました。ここまで生きてきてうんざりしてきたのは確かです。でも、結局それらは自分が引き寄せているからで、今は全ての修行を終えて楽しむ人生にシフトチェンジし、すっかり桜は見上げて愛でていますよ。もともと春は大好きな私です。

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