今日は自然の中に見る色のついてちょっと触れて見ようと思います。   今まさに桜の花が咲き誇る季節となり、我々日本人は嬉しい限りの季節です。      桜の花びらはとても淡いピンクで、これは、ウィンターのアイシーピンクに相当します。つまり、ブルベです。殆ど白に近いごくわずかにピンクという凛とした清々しさに私達は心を奪われます。

桜の清々しさ ••• それはブルベのクール感から来る冷たさが醸し出すもの

桜の花びらがアプリコット、つまり、オレンジ系のピンクだったらどう感じますか？  清々しさよりほのぼの感が勝るように思います。まだ肌寒いこの季節に、春の訪れを知らせる役目としてはほのぼのより凛とした美しさの方がマッチしていると思うのは、卒園卒業などの人生に節目となるイベントがある日本では、襟を正す心境で春を過ごす習性がありますので、とてもマッチして背筋が延びる思いと、新たな世界への旅立ちへの心構えも相まって、凛としたクールな美しさは正に適した心の反映になっていると思います。

つまり、春は凛とした想いで迎えたい皆の集合意識が日本という土地には根差していて、桜がその集合意識の反映にぴったりということですね。これがスプリングの淡いピンクであったなら、緊張感が不足して背筋が伸びる感覚が薄らいでしまいます。 そういう意味でブルベのクール感は、何処かしら緊張感や冷静さ、礼節に人の意識を向かわせる作用があるということです。

一方での、春の芽吹きは黄色いイエベが一番に咲き始めるという面白さ

桜より早く春の訪れを知らせる花に、福寿草があります。これは解りやすいイエベです。続いて菜の花もイエベ、続いて開花していくタンポポ、山吹、レンギョウなど、春はイエベ黄色い花がバンバン咲いて行きます。思えばレモン系の黄色の花は見たことがありません。殆どがイエベと思える暖かい色の黄色です。それだけ暖色の代表である黄色の世界でブルベの黄色は肩身が狭いといえるのでしょう。

人間には確かにレモン色が似合う人が存在しますが、それは人間という生き物に与えられた狭き門にも思えます。植物、動物とは圧倒的に違う能力を人間は許されていて、二足歩行もしかり、生殖能力もしかりです。その特徴が色の世界でも狭き門として一部だけ存在を許されているように感じます。おそらく、レモン色の花は、ごく一部にしかない稀有な存在なのだと思います。

それはさておき、黄色は有彩色で最も明度が高い色です。その色が生命力の象徴のいうに寒い空気を打ち破り、大地から芽吹くのは黄色の遺伝子が一番太陽光線の光量の変化を察知できるからなのかもしれません。大地の下で太陽光線が強まってきたことを受け取り、芽吹きシステムにスイッチをいれる。これは、イエベの人間の方がワクワク度が高くて情熱に正直という特性にも重なる自然の成り立ちと同じだと思います。

自然な情動に正直なイエベ、人間が持つ社会性や秩序などの論理性に重きを置くブルベ

銀杏の木が、綺麗に黄色に紅葉する木と、緑が混じって綺麗に紅葉仕切らない木の２種類あるのにあなたは気づいていますか？  私は色を学んでからこれが気になりだしたのです。観察していると、黄色になりにくい木は、幹の色がグレイッシュで、黄色になりきる幹の色はくすみの少ないベージュなのです。これが所謂木のオスメスなのかは私には解りませんが、銀杏の木にブルベとイエベがあるのだなと理解しました。綺麗に黄色に紅葉するのが屈託のないイエベ、グレイッシュにくすんで素直に黄色くなりきらないのがブルベだということです。 ブルベは体制が気になってしまう「べき論」でものを考えてしまいがちで、正しい正しくないとかを気にしがち。イエベは自分の情熱に正直な気質があるので、タイミングがきて紅葉するならそこに迷いがない傾向があります。

このように、桜が日本を代表する花として海外にも有名になる背景には、凛とした美しさを求める清々しい想いを、春の節目の季節に重んじた日本人の集合意識がなせた文化のように思います。そこには、ブルベ的感覚、つまり、体制を整えて平和であろうと望む日本人の願いが規律正しさや礼節といった感性で春を捉えることで、アイシーピンクの桜がぴったりに感じるのだと思います。が、一方黄色の芽吹きの早さは生命力が育とうとする大地に根差した自然のエネルギッシュさから来る現象で、こちらは人間の意識とは異なる大自然の営みから来るエネルギーの象徴と言えるでしょう。

人間はこの狭間で、自然という流れにのりつつ、文明という高尚な文化を育て、地球の波動を上げる重要な役目も合わせ持っているという複雑な存在です。そのために、ブルベ、イエベという2つのタイプの生き物がいてバランスを取って互いの良さを尊重し助け合っていく意味があるのです。

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