Taeko Goto Blog

似合う色の服を買ったのに着ないままなのは何故?その真相とは?

先日3回目のショッピングエスコートのお客様のお買い物をしていたところ、着ていないワンピースがあると口にされました。なんで?と聴くと、ハッキリした答えが返ってきません。
「何となく・・・」「なんか着慣れていないので・・・」
大概の場合、こんな答えが返ってくるのですが、殆ど、これはメンタルブロックにぶち当たっている証拠なのです。

薦められた服にときめいたのに着ていないまま・・・なのは、あなたの心にブレーキがかかっている証拠

似合うと解っているから私は薦めています。試着もして問題無いと確認した上で購入。そして半年以上の時間が流れて聞き直すと「着ていない」という答えがきたのはワンピースでした。
彼女にとってワンピースはお出かけ着というイメージが在るようで、普段着慣れてはいないようです。でも、十分普段着となる素材とカジュアル感のものなので、かしこまっている物ではないのです。でも、何となく着ない・・・と。

ワンピースがキライならそれでいいのです。でもそうでもないから買ったのです。好き嫌いは個性の在処なので、嫌いなものは薦めはしません。で、本人もその理由が明確ではない。この場合、着ている自分が見えていないとか、気はずかしいなどの要因はありえます。でも、着ることで世界が拡がり、新しい自分を発見するので、着ないと始まらない扉があるのも確かです。そこを詳しく掘り下げて聞いてみたところ、こんなことを言い出しました。

いつも着ていないものを着ると、大丈夫か?と不安になるから、ついつい尻込みしてしまう

この気持ち、誰しも持ったことはあると思います。例えばいつも着ないスーツを社会人になって初めて着た時のドキドキ感。友達の結婚式に参列して、着なれないドレスを着た時のモジモジ感。
でも、特別な時の服はそうしょっちゅう着るものではありません。でも、普段着はどうでしょう。実はお洒落な普段着から日常着のユニクロ的な物まで、もの凄く振れ幅があります。いつもユニクロばかり着ていたとして、着やすいからいいとして、それで安心な心理=いつも通りのスタンダードが確保出来ても、ときめくことはないでしょう。毎日カップラーメンだけでは飽きてしまうのと同じです。

にもかかわらず彼女は無意識に自分の気持ちの安心を重要視しているので、折角買ったビームスのワンピースを着ないという状況になっており、それでも、何かを突破出来ない自分にどこか気づいているので、ショッピングエスコートは依頼してくるという状況でした。

安心よりトキメキ、安全よりチャレンジをするための服選びのはずが、尻込みが自分から成長を奪っていると気づかない

変わりたい、だから似合う色を調べて、自分の心のブロックを客観視して買い物にも来て、ユニクロ以外のカジュアルを探しているのに、買っても着ないならそれこそ無駄です。私は着ないものがあったなら、その理由を大切にしています。素材がキライだとか、着心地が悪いなどミスマッチな要素は繰り返さないためにも大事な情報です。それを受け取って次の買い物にはその無駄が生じないように予め却下する選択眼が必要だからです。

キライじゃないけど何となく・・・は、必ず心の問題点が潜んでいるのです。今回の彼女の場合は、あまりにも自分の身の安全、つまり、心の中で安全だと自分が思い込んで築き上げてきた領域から出たアイテムは、自分を危険にさらすという無意識の防御反応があり、同時に成長したいという変化欲求も感じているという矛盾が起きていることに全く気づいていませんでした。
変わりたいのに・・・ 変われない・・・。それが自分の無意識レベルで起きている矛盾なのです。

誰かの顔色をうかがいすぎた?人には色々な過去の恐れの記憶を大きすぎるブレーキに仕立て上げてしまう

誰にでも、過去の忌まわしい記憶の一つや二つあるに決っています。それは人と比べて大きいとか小さいとか比較するものではありません。皆ぞれぞれ、感受性も、好き嫌いも違うように、被った痛手の大きい小さいは、その人の中でしか感じられないものだからです。 彼女は、自分の言いたいことを要求しても受け入れられないことを想定して、言わない選択を積み重ねていました。これでは、息が出来なくなります。

私はこう伝えました。
「あなたがカレーが好きで、相手がカツ丼が好きだとして、相手に受け入れられないかもしれないから、私がカレーを好きなことは言わないでおこう・・・というのと同じだよ? なんで、相手と違うものが好きだとダメだと決め込んでしまうの? あなたはカレー、その人はカツ丼で良いことでしょ? それを引っ込めていることが優しさとか、安全だとか思っているなら、誰にも何も話すなと言ってるのと同じだよ?」

きっと自分の意見を言えないような経験がかなりあったのでしょう。相手を尊重しすぎて、自分の好みを言わないことが安全なんだと思い込んだ蓄積があるとするなら、大変だったね・・・と思います。そして、私にも似たような想いはありました。ただ、私は彼女より反骨精神が強く、何も言わずに実力行使してぶつかることをしていましたので、それはそれで心がくたびれたり、痛かったりしてました。
どのコースを進むのかは、その人の性格にもよるので、正解はありませんが、その矛盾に気づいたときに修正を掛けていくことが自分へのお手当であり、自分を成長させることになります。

これまで見てきた多くのお客様達は、皆、自分の枠を新しい服を着ることで広げていったのです。その姿は、とても清々しいものでした。
たかが色、されど色。 たかが服、されど服。 私の大事にしているポリシーです。

 

 

 

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