自分がどんな人間か？ それを突き詰めるために案外役立つのが、似合う服を捜す行為だと私は思ってショッピングエスコートを行っています。つまり、買い物をしてはいるのですが、自分を開発して行くメンタルトレーニングをしていると言うのが実態です。
スレンダーな体つきを、痩せているから貧相とみるか？ 細身で何でも着れるとみるか？
先日ショッピングエスコートを行ったお客様は、7号サイズの細身の方で肩幅もさほど大きい方ではありませんでした。服を着こなすのに、細いことはむしろ優位に働くものです。一流モデルが細いことでも解るように、着こなしの幅はある方だと言えますが、ご本人が細すぎると誰かに言われる経験を繰り返していると、まるで細いことは悪いことにように思い込んでしまいます。 
今回、その思い込みを取っ払うために、新たな服のシルエットやデザイン、柄、そして似合う色で、ドンドン試着をしていくと自分の気持ちがどう動き、自分の身体を認めていけるのか、自分らしさを造っていけると思えるのか？ それを決められた時間の中で何処まで出来るのかという現実なのです。
そのために、ご本人が着たことがないような服種やシルエットを敢えて選び、自分が着こなせる…という体感を味わってもらうことで、さっきまで自分にだめ出しをしていたメンタルは、消え失せていくのです。このお客様も、ビッグシルエットのロングTシャツを気に入り、それに伴ったボトムやコートなど組み合わせらられるものを選んで行きました。
服の好き嫌いの理由は、本音とメンタルブロックのどちらかへ繋がる
これまでと違う服をきて気に入った物を見つけて行く中で、自分を否定していく意味がなくなっていく体感を得ると、その先は自分を開発していく意欲に変わります。ほんの数分で否定的な意識を持っていることは無駄で、もう新しい自分に出会う喜びに前のめりに為っていきます。 では、その最中で当然好き嫌いという反応はあります。
私は、いつもこう聞きます。
「この服は好きですか？ キライですか？」
「好きなら何処が好きですか？ キライなら何処がキライ？」
理由には、その対象に感じる本人の思い込みが映り込みます。何が好きで、何をキライと思うか？ それは希望と傷の反応を映し出してくれるものなのです。好きもキライも、両側面から反応です。そこにはポジティブとネガティブの両側面から見た心です。 何が好きで何がキライかは、心の中の玉手箱を光と闇の両方から眺めただけに過ぎません。 大事なのは、目の前の服から新しい光を見出す自分を感じることです。
好きかどうか、着る気になるか、新しい自分がそこにいて新鮮かどうかで服を決める
今までの選択肢になった服に袖を通して、新らしい光を感じた瞬間に、新しい次元が始まります。ほんの数分のフィッティングで新しい自分が生まれるようなものです。そう言うなら、私は、新しいあなたが生まれるのを手伝うお産婆さんみたいなものです。
未経験の服を着たあなたは、まるでキツネにつままれたような顔をしていますが、何店舗かの服を試すことで、目覚めが確定してきます。その時、私は聞きます。
「この服を着てみたいですか？」
これは、 「あなたがここから新しい自分を受け入れていけそうですか？」という確認です。
無理矢理お薦めしてもテンションが上がらないようでは、新しい自分の芽が芽吹きません。
「こんな服が着れるんだ！着てみたい！」という気持ちが、あなたの芽吹きを促します。 新しい自分を見つける、受け入れるショッピングエスコートは瞬時の出産のようです。痛みよりワクワクを存分に味わえる生み出し作業で、あなたは新しい次元へと旅立つことになるでしょう。
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