前回、オータムとスプリングの色の境界線をどう見るのかについてお話しましたが、今回は続きとしてウィンターとサマーのブルーベースのグループについてお話しようと思います。アイキャッチ画像の旗がウインターで、バックの空がサマーという色調の違いがまさによい例えだといえるでしょう。
コントラストが得意なウィンターと馴染む柔らかさが得意なサマーは共通点が少ない
同じアンダートーンなのですが、案外共通に使える色が少ないのがブルーベースの特徴です。なぜかといえば、圧倒的にトーンの住み分けがイエローベースと違い、極端に違うからです。サマーは柔らかいトーンである、ペール、ライト、ソフト、ダル、ライトグレイッシュといった鋭さのない色調が似合いますが、ウィンターは逆にこの鈍さがとても苦手で、冴えない、元気ない、老けた・・・といった印象になってしまいます。
逆にサマーにとって彩度が高いハッキリした色は、強すぎて無理している気の毒な印象にしかなりません。なので、案外共通で使える色があるわけではないという実態です。お互いの苦手を補強し合うかのごとく、どっちも使える色は極限られた範囲となります。上の写真は、彩度の高いマゼンタとウィンターっぽいターコイズの配色です。
共通して使いやすいのは、ダークトーンの色調の落ち着いた色
それでも、共通してそこそこ使えるのが、ネイビー、バーガンディ(ワインレッド系)、パープル系です。勿論厳密には、これらにも違いはありますが、他の色より色調に差が少なく誤魔化しやすいダークトーンです。
●サマーのネイビーは紺ブレにあるような青紫の紺で、ウィンターは青が強い紺
●紫は、サマーが赤紫寄りのプラム色にちかい紫、ウィンターはロイヤルパープルの青紫寄りの紫
●バーガンディに関してだけ、差が少ないのであまり気に掛けずに選べる色
これ以外の色に関しては、サマーは中間のトーンで優しい色目で、ウィンターは鮮やかな強い色で双方の差があり、似て非なる物というのが実際です。鮮やかな赤や青はサマーにもありますが、そのキレイな色を得意とするサマーは日本人では多いとは言えないのも事実です。上の写真はサマーのダークトーンのイメージに近いですね。
ダークトーンのみだとウィンターには地味で、インパクトに欠ける印象になりやすい
ウインターのバーガンディとサマーのバーガンディはパッと見区別が付かないくらい近似値と言えます。なので、いわゆるワインレッドの類いであるバーガンディの赤紫はどちらのシーズンでも使いやすいと言えますが、それと何を組み合わせるかで、それそれの「らしさ」が変わってきます。
ウィンターの場合、無彩色のアクセントカラーとして落ち着いた赤紫を入れると、男性でも洒落た印象になり、ビビッドな赤やピンクを入れるより品が良く大人っぽい雰囲気を造れます。また、あまり認知していない方が多いですがバーガンディが更に黒に近づくと焦茶のようになり、この茶系もウィンターには着れる範囲の茶色になります。(写真のような赤紫系の茶)
ですが、すべてダークな色でまとめるとシックですがウィンターには少しメリハリが足らない印象にもなりやすいので、どこかに目立つ差し色を少し加える方が、コントラストが得意なウィンターには映えるので、彩度の違うトーンを入れることがお薦めです。
ダークトーンだけだとサマーは色の重さに負けて、しんどそうに見えてしまう
サマーは、柔らかさと繊細さが持ち味なので、ダークトーンだけで構成してしまうと重くて苦しそうに見えてしまいます。優しい雰囲気が似合うので、ダークに対して軽い、もしくは柔らかいペール、ライト、ソフト、ライトグレイッシュといった少ない少ない色と組み合わせて、同調させる方向に組み合わせると美しくまとまります。
この写真の人の皮膚感は少なくともウィンターではないので、ダークな幾何学模様が皮膚にシンドイ感じが解ると思います。サマーの中にも鈍い色が得意な人、淡いパステルが得意な人、彩度高めの鮮やかな色が得意な人というように、個性で住み分けがありますが、中庸なソフトトーンはサマーにとって誰しもが扱いやすい色です。これをダークトーンと組み合わせることでより落ち着きのあるコーディネートにまとめるのは使い勝手がいいでしょう。
サマーの中の鮮やかな色とダークトーンを合わせた場合は、緩いウィンターのような仕上がりになり、それはむしろウィンターの柔らかバージョンのような仕上がりになることでサマーらしさは失われてしまう方向に行きます。
その意味で、ウィンターの人がサマーのインパクトカラーを使って柔らかめに使うのはやりやすいのですが、サマー自身には、難しい組合わせになりやすいという微妙な立ち位置がサマーにはあります。
まとめ
ということで、まとめてみると、案外サマーが取扱が難しいグループだと言えそうです。中間的な色・・・という漠然とした範囲で構成されているサマーには、鮮やかさ、濁りみ、淡さ、明るさ、暗さというあらゆる方向性を抱き合わせているので、松田聖子と美智子様が同じグループと言われてもかなり隔たりがあるというのが実態です。
故に、ウィンターと近い人もいれば、かけ離れた人もいるという、一言では片付かないもやっと感がサマーであるということです。
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