このところ、立て続けにイレギュラーなポジションの特質を見せるベストカラーの方々を立て続けに診ました。トゥルーズカラーの診断セッションでは、シーズンカラーだけではなく、その方の似合う色を更に4つのランキングに分けて似合う度合いを調べていきます。これをするようになった理由に、サマーの私が殆どドレープの色が似合わないことに気付いたところから始まっています。

ベストカラーはその人の個性の在処であり、魂の声を色が代弁している

私はカラーの学校でサマーであることが判明してがっかりしたところから、パーソナルカラーの学びを深めることになりました。淡いパステルカラーなど私の性格には到底合わないと吐き気がするくらいの感覚でしたが、歩けなくなりサラリーマンを続けていけなくなった私には、似合う色を仕事にしていくしかない状況で色と向き合っていたので好きでなくても着ていく方法を模索していました。

サマーと思われる色をあれこれ買って着てみたものの、どれもしっくり来ない実験を繰り返した結果、ドレープにあるような綺麗な色ではダメなことが解ってきたのです。そこから自分のシーズンカラーを30枚全てを４段階に分けて似合う度合いを調べることを思いつきました。誰しも全ての色が似合うわけではない•••としたら、その人なりの似合う色の偏りが出るはずだと自分をやってみると、100点の色は２枚しかないのです。勿論これはドレープの色を基準にした場合の話で、実際の服にはもっとデリケートな色が存在していることは服飾販売の業界で働いてきたので良く解っていました。100点と90点、80点、70点の色から導き出される自分の個性は限りなく狭いもので、100•90点は紫とココア、赤紫でした。色相で言えば全て赤紫ゾーンです。まるで「お前はここだけを狙って生まれてきたんだよ。」といわれているかのようです。 そこからこの作業で導き出される一人一人の個性の在処を読み解くことを大切にするようになっていきました。

スプリングのイレギュラータイプ、浅黒い肌のウィンター方向の個性

殆どドレープにある色では似合う色がないような標準のゾーンにはない個性。ドレープの中からでは似合う色がかなり少ない結果になり、100点の色は少ない結果が見えます。スプリングでも濃くてハッキリした色が似合い、代表的な明るくて清らかな色にポジションがない、ウィンター方向の人。

スプリングのウィンター系は彩度が高いハッキリした色が得意なので優しいメンタルではなく面白くて弾んだ、どちらかと言えば突飛な感性を持ち合わせているようです。理由はともかく好き嫌いがハッキリしていてインスピレーションは鋭い。でもなぜそれが好きなのかは理由が説明できない感覚優先の人。気分の上がり下がりも案外激しく、その波を自分でコントロールできず、ちょっと自分をもて余すかも。

明るくて元気なところは同じですが、強烈な何かを持っていることは自覚しているものの、それが何処から来るものなのかご本人も把握が出来ず、自分の取扱い説明書が上手く作れないまま、エネルギーの流れに翻弄されているようにお見受けしました。色の反応としては、濃くて鮮明な色の方が映えて、淡くて綺麗な色は力が足らない弱々しさを感じてしまいます。

オータムのイレギュラータイプ、優しそうな肌色で重さを感じさせないサマー方向の人

オータムは深く色が代表的ですが、柔らかくて落ち着いた色がよいサマー方向の人は、深い色より浅めで彩度が低い色が得意という、私にも似たポジションでした。トーンで言うとライトグレイッシュ、グレイッシュ、ダルが得意で、もやっとしただるさがポジションです。

鈍いオータムのサマータイプはデリケートと複雑の掛け合わせなのでメンタルもその輪郭をハッキリ捉えることが本人も困難。モヤモヤとした自分の内面性を言葉にするのが難しそうです。これだ、という明確なヒットを自覚するのが不得意、もしくはスィートスポットが極めて小さいことに本人も気付かず気持ち悪い状態が長く続いてしまいがちです。すぐネガティブに陥りやすい特徴があるかもしれません。でも、自分の特徴をきちんと把握すれば面倒がるより愛おしさを見つけることも出来るので、このような個性は早く自分を理解することが楽になる秘訣ですね。

またもう一人、オータムのサマー系、それも極めて狭い範囲で徹底的にソフトゾーンだけに特徴が固まっている人。おそらくフェイバリットゾーンがハッキリ決まっていて、濃すぎてもダメ、薄すぎてもダメ、暗すぎてもダメ、明るくてもダメ、という自分なりの心地よさがハッキリしているけれど、それが他人には解りずらい。でも、自分の心地よい場所は決して譲らないという独自ゾーンを持っている人。

今回の場合、ソフトトーンに100点が固まっていて、明るくて優しそうでいてめっちゃ頑固という個性の方でした。私も意志はハッキリしていますがスィートスポットは極めて小さく、大満足というゾーンはなかなかないという自覚を出来たのは結構最近だと思います。この方は、狭い自分のフェイバリットゾーンを受け入れて頑固に譲らない生き方を概ね出来ているようで、清々しく笑っていらっしゃいました。

どの方も、自分の取説をうまく作れているとは限らず涙を流す姿をお見受けしました。自分の個性をハッキリと語れる人は案外いないのだと思います。

自分を知るために生きる、命を使う、体験を繰り返す、そのために、選択を繰り返す。やればやるほど似合う色は個性を暴いてくれる。教えてくれる。伝えようとしてくれる。あなたの肌は想像以上にあなたを語ります。

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