Taeko Goto Blog

28色のドレープ診断の違和感から120色診断へ再チャレンジした70歳女性の出発

真夏のお盆時期に、新たな学びを始めようと動き出したシニア女性のお話です。彼女はとある学校でカラー診断の勉強をしてきたそうです。そこでは28色のドレープを使って診断する方法を学んできたそうです。でも、自分がもらった結果に納得がいかなかった彼女は全部で6回の診断を受けるという診断難民となって、私の所にやって来たのです。

学び直すきっかけになった120枚のドレープの威力は、質と色の豊かさ

28枚という限られた色の中で、人の肌色を診てきた彼女が、トゥルーズカラーでの診断を受けて思わず口走った言葉が

「このドレープ、解りやすい!」

沢山の色の組合わせから見えてくる自分の肌色の変化に驚きと納得を繰り返していました。今回ドレープレッスンをする決意をしてやって来た彼女は、自分(オータム)の似合う色と私(サマー)の見え方の真逆を改めてその目で確認して、本当に驚きながら楽しんでいました。自分に似合う物が、本当にダサい色になる私の顔を見て心から笑っていました。そのくらい、ベース(アンダートーン)が違うと真逆の結果になることを、いくつものドレープの組合わせを体験しました。

因みに、彼女は4枚のドレープをまとめて同じ色相で見比べる診断の仕方を教わってきたそうで、そのやり方でデリケートな肌色の差を見分けることが難しいことを今回の体験で実感したようです。ここまで学んできたことの限界を認めることも心理的にはシンドイとは思いますが、そこを認めることで、これまでの学びが無駄にならない視点が手に入ることでしょう。

道具とは何か?学び初めた彼女が驚いた新しい視点

彼女は習ってきたあらゆる肌の想定パターンにかなりこだわっていました。例えば、下記の様な観点への投げかけをしてきました。

①頬の赤みがローズかコーラルかで顔色を見る
②髪が柔らかければソフトタイプ
③目の色が黄みがあればイエベの傾向
④顔に赤みが集まってればブルベの人

 

①については、現実的にはっきりコーラルと解る頬の色をしている人は、殆どいません。ゼロではないのですが、それを頼りに診断をしてしまうのは無謀です。なぜなら、顔は一部であって全体ではないからです。見なければならないのは全体の肌色であり、顔だけではありません。ノースリーブの腕が見えたときに綺麗にみえないのは似合った色ではないからです。

②これは確かにそうなのですが、ソフトの肌なのに髪は剛毛というケースは少なくありません。髪も一部の要素に過ぎず、剛毛に合わせてウィンタに間違われて診断されている人は結構いるように思います。

③目の色が黄みだとイエベの傾向というのも間違いではないですが、現にサマーの私も目の色はスプリングです。でも、肌はどうにもサマーです。目の色も肉体のごく一部に過ぎません。

④これも間違いではないですが、赤みがブルベなのかイエベなのかを一目で見分けられるなら相当熟練している人ですし、そういう人が顔の赤みだけに着目して判断はしないと思います。顔はそもそも毛細血管が浮き出やすいところなので、顔だけ赤みが強い人は結構います。顔だけをみて色を判断するのはミスのもとになります。

何を基準に判断するのか? パーツの特徴はどうして確認するのか?

①~④のように、彼女には教わってきたチェックポイントはどう見るのか?という疑問をぶつけてきました。どれも間違いではないですが、そこから結果を導き出せるものではありません。ひとつの傾向値に過ぎません。
では、パーツをどうしてチェックしていくのでしょうか? それは診断をどのように進めるかの方向のお見立てをするためです。どんな組合わせでドレープを当てていくことで、お客様の肌のポジションを正しく導けるかを考えていくためのチェックポイントとして存在しているのです。つまり、チェックポイントは過程であり、結果を出すものではありません。

答えは肌の声を聴くことから決ります。解るまで一対のドレープを合わせていくのです。その一対をどういう組合わせにするのかのために部位の確認が存在するのだと説明すると、彼女は「なるほど、そうだったのですね!」と力強く言ってました。
沢山の微細な比較をするためのドレープの組合わせを体験して、肌そのものの声を聴いていく重要性に気づいたようです。

まだ彼女の学び直しは始まったばかりですが、魂が喜ぶ学びをしはじめた彼女の向学心と真摯な想いにエールを送りたいと思います。
カラーの学びを通して、イキイキした光が彼女に射し込むことを願っています。

 

 

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