私はサラリーマン時代に16年間小売業界にいて店頭商売を存分に味わいました。
その次にカラーアナリストになったのは、「本物の接客」 を自分なりに突きつめたかったからです。
精一杯やってきても、人に少しは誇れる実績をつくっても、「本物の接客」にはまだ遠いのだと思い知らされた時、サラリーマンを辞めました。
ビジネスは売上をあげること?お客様に何かを買ってもらうこと?
そう、間違いではないですね。店頭にいた時の私は目の前にいる人に接客して商品を買ってもらうことが仕事でした。 売らなきゃいけない・・・ それが私の役目であり、それでお給料をもらっています。認められたいなら人より売ることです。
新入社員でいきなり店長代理で店舗を任された時は、無我夢中でどうやって売上をつくるかを考えていました。 必死に接客して、必死にお客様と話をして、ある日、ひとつのダイヤモンドの粒を見つめました。 それはある中年女性の一言でした。
売上という数字、それは人の想いに応えた積み重ねの形
「私ね、時々ここに寄るんだけど、あなたはいつも一生懸命話を聴いて何がいいか考えてくれるわよね。それが嬉しいわ!」
「あ~、ありがとうございます!」 と、その場は一言で済ませていた私だったが、それから私は店長としてメンバーに言い続けました。
「1,000円のワゴン商品でも魂込めろ! 自分が好きじゃなくても、それが好きな人もいる。誰が何を買いたいかわからないけれど、ワゴン商材にも命を吹き込め!ちりも積もれば山となる。それが売上だ!」 自分で売り物を決められないのだから、目の前の商材に心を、想いを、愛を載せるしかないのです。
さりげない会話でほっこりして買えたらしあわせ
たった1枚の1,000円のTシャツに愛を込めるとしたら、あなたはどうしますか?
ワゴン商品は何回たたんでも、すぐにグシャグシャにされます。お客様はひっくり返して、それが当たり前だと思っています。 毎日毎日それをたたみます。 そしてチャンスがあったらその1,000円にも接客するのです。 対話すれば購買率は飛躍的に上がります。
なぜなら、人は愛を求めているからです。
1,000円のワゴン商品をひっくり返したその人に何の言葉がヒットするか?
探りながらいつも声をかけて、その人にとっての 「たった一つの言葉」 がヒットした時、その人は買う気になるのです。 服は優先順位が食品のように高くないので、黙って自然に売れるものではありません。 その気になって頂く仕掛けが必ず必要です。
まとめ
だから、たった一つのヒットする言葉を探すのが、こちら側の「愛」なのです。
売上をつくるビジネス・・・ それは、そのお客様にヒットする「ひとつの愛」を商品に載せて手渡すことだとしみじみ体験した売り場時代でした。
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