先日いらした40代キャリア女性は20年ほど前に診断を受けて、「スプリングだけど、サマーもいける」と言われて、自分なりに明るくて薄い色なら大丈夫なのだろうと解釈して着てみたが、仕事上も上手くいかず軽んじられる自分を感じて、結局真っ黒を着て頑張ってきた近年、心が軋んでしまったと私の所にやって来ました。

あれもこれも着れることが幸せだと勘違いしている診断士が人を惑わせ、苦しめる

この方が20年前に診断を受けたのなら、その診断士のキャリアは私とそう変わらない時期に勉強をしていた人ということになりますが、それでも似合う色についての解釈が全く違うという証明になるような話だなと、今さらながら思いました。

私は、2つのグループにまたがって似合うという診断は下しません。だって、意味が無いから。そうは言っても、過去に一人だけ、ウィンターとサマーの双方の赤に特徴が集中した方がいらっしゃいました。23年間やって一人だけです。が、イエローとブルーにまたがって良いという判断はあり得ないと思っています。それは陰と陽がぐちゃぐちゃという意味になり、自然の法則に当てはまらないからです。

今回の女性も「スプリングだけどサマーもいける」というもやっとした結果が腑に落ちず、自分なりの解釈で薄い色を着ていたら、職場で軽んじられてしまう事態が起り、仕方なく黒を着て鎧がためにした…という経緯から、仕事を切り抜けてきたものの、自分の心が軋んでしまい、助けを求めるがごとく急遽九州から飛んでこられたのです。
着られる色の範囲が多い方が幸せだと思い込む発想がこのような診断結果を生むのでしょうが、沢山着られることが本当に幸せなのでしょうか？　分からないから絞りに来るわけで、あれもこれも着れたところで組合わせ能力がないなら少しも楽にはなりません。服選びとコーディネート地獄から救われるためにも、色は絞る意味があるのです。

自分では気づけない自分の姿は必ず存在すると、今から思えばあちこちで見覚えがある

彼女は事後、このような感想を下さいました。

「オータムという結果には驚きでした。以前の診断は何だったのでしょうか？　オータムの自分自分に合わないと思っていたので目にも入りませんでした。でも、これまでカーキのトレンチやカラシのワンピースは似合いそうと言われましたし、メイクも黒よりブラウンのアイラインやマスカラを奨められたりしており、頑なに断っていた私がいました。第３者には解るんですね。自分だけが自分を客観見ていないという…。

　オータムの色の服を着て、メイクをすると別人のようです。そして肌は少し暗く見えます。今まで白のトップスで顔色を飛ばしてきたからですね。オータムカラーだと顔が浮かず調和して見えていると思います。気持ちの変化としては、アー楽ちん！と言う感じです。肩の力が抜けています。」

矯正出来ない選別眼で頑張るより、実現の自然体な自分を無駄なく楽に速攻で手に入れるために、ショッピングエスコートは必須

色が正しく納得出来たところで次の問題は、目が急には治らないということ。今まで勘違いも含め、急に違うシーズンの色を的確に見つけられるかというとそれは無理な話です。昨日まで英語だったのに急にフランス語に変えろと言われても…と言うのと同じ。で、見つけられず、間違い選びも多発してコーディネートはぐちゃぐちゃと羽目羽目に…。　今回、お買い物も済ませて日帰りを計画していた彼女は、翌日からの仕事に困らないような組合わせを望んでいましたので、３時間濃密な試着タイムを体験したわけで、このような感想をくれました。

「ショッピングエスコートは本当に助かりました。このステップがないと次に進めなかったと思います。まず、自分で色が選べません。これまでの色の縛りがあるので、オータムと意識していても目の矯正が追いつきません。さらにあの時間内で必要なアイテムを全て揃えることは無理です。アイテム同士の組わせまで考えてあの短時間で選ぶことは自分には出来ません。自分では間違った色の選んでしまうし、買うアイテムが偏ってしまい、結果として合わせるものが無く、何にでも合わせやすい白黒に戻ろうと思うでしょう。勿体ないです。
　ショッピングエスコートの間は、ただただ出てくる物を着てみて好き嫌いを判断しているだけですが、後で家で見てみると過不足なく揃っていて驚きました。くつ３足にバッグ、インナー沢山に、スーツ３セット、カジュアルな羽織にボトムスと一通り揃いましたので、もう寒くなるまでお買い物に行かなくて済みます。ただ、先生がお薦めしていたとおり、タンクトップがもっと必要なので買い足します。
　あんなに目が慣れなかったのに、いま、黒や紺を見ると、なんでこんなに重く強い色を着ていたんだろう…と思います。」

似合う色を着ることは、色を絞って選ぶことで自分を楽な領域に入れて上げる行為で、無作為に溢れる色の中で溺れそうな自分を救ってあげることなのです。相応しいを知る…。それは豊かな自分の居場所を知ることでもあります。

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